日本製鉄株式会社東日本製鉄所からのシアン流出について
日本製鉄株式会社東日本製鉄所(千葉県君津市)で、6月から毒性の強いシアンが東京湾や周辺の川に相次いで流出している事件について、環境基準を基に考えていきます。
1.一般排水基準との比較
現在出ている情報として、県水質保全委員会によると、20日に工場周辺の水路における確定値として、「1リットル当たり0.2ミリグラム(0.0002グラム)」が検出されている。
環境省の一般排水基準として「1mg CN/L (CN/L:解析試料1Lに含まれるシアンの量)」と定められている。
一般排水基準 | 水・土壌・地盤・海洋環境の保全 | 環境省
現状の測定値では排水基準を超えてはいない。しかし、何が問題であるかというと、現状の測定値はあくまで河川の水によって希釈された状態の濃度である為、実際に排出された排水は環境基準を超えていた可能性が高い。
2.水道水基準との比較
次にやる人はいないと思うが、この水を直接水道水として用いることができるのかについて考える。
水道水の基準としては「0.01mg/L(0.00001 グラム/リットル)以下」とされているため
今回は基準の2倍ですね。
当然飲めません。
日本薬学会 環境・衛生部会ホームページ (pharm.or.jp)
ましてや人の健康保護に関する環境基準としては「検出されない」ことが基準となっているため、危険です。
その為、
流出が報道されている地域で河川に近づく、死んでいる魚に触れるのは危険ですのでやめてください。
しかしながら、浄水施設で実施されているかは不明であるが、シアンを分解する方法は存在し、現状水道水関連で大きく報道がなされていないため大きな問題は発生していないと考えられます。
3.まとめ
現状では多くの環境基準を超えているため、直接飲む、触れるといった行為は危険ですが、水道水としては現状大きな問題は生じていないと考えられます。不安であれば近くの浄水施設の状況を確認してみてください。
今後の情報に注意しながら生活をしていきましょう。
何か間違いがあればご指摘ください。